B’z『Highway X』感想メモ (1)

B’zの最新アルバム『Highway X』収録曲の感想メモ的なものを書きました。
たいしたことは書いてないですが、残しておきたくなったので書きました。

音楽的知識がないので松本さんのギターについて触れている部分は少ないですが、めちゃくちゃカッコよくていつも痺れているということだけは先に言わせてください。音楽的な知識がなくてもどう感じたかは書けるかもしれませんが、難しいものです


1.SLEEPLESS

・ダークな雰囲気がありつつキャッチーでもあって、今までのコナン×B’zで一番ハマってるかもしれない。

・イントロからリフが2つ出てきて(って言い方が合ってるのかわからん。多分違う)、2つ目のリフがそのままAメロになってるのカッコイイ。イントロ自体もアルバム全体のイントロダクションって感じがあって良い。

・「そろそろ期限切れ気味」の「気味!」が好き。

・コロナ禍の最初の頃の特に不安な社会の雰囲気が結構ストレートに歌詞に出てる。ただコロナ禍に限定した書き方ではないけど。

・「探したって見つからん」の「見つからん」がイイ。公式が「#Xが見つからん」ってハッシュタグ作ってましたね。

・「♪くーるまとーばしとーくへいこう」の伸ばすポイントが気持ちいい。

・正直、近年のB’zは何回も聴いてくうちに好きになってく愛してくパターンの方が多かったりするけど、このサビのメロディは一発で印象に残ったし好きになった。別に似てないんだけど、「ピルグリム」(これもそういえばコナンだ)のサビみたいなキャッチーさだと思った。何でかな。J-POP的?というか…。ピルグリム大好きです。

・「♪辿り着けるの」の所に入ってるシンセとギターが好き。キュウ〜ン!みたいな。

・「♪じっとぉぉぁぁ そっとぉぉ」って歌い方新鮮だった。カッコイイ。

・ラップ風パートいつぶりなんだろ。J-POPにラップブームが来てた2000年代前半にいくつかあったけど。「煌めく人」「夜よ明けないで」「FOREVER MINE」とか。まぁどれもラップとはまた違うかもしれないけど。あと最近だとLiSAに松本さんが提供した「Another Great Day!!」のAメロがこんな感じだったか。松本さんはB’zアルバム制作前にやってたソロ活動で得たものをしっかりB’zに取り込んでくる印象。

・「♪バカな事ばっかしてると 笑い合う僕ら」の「バカな事」って、最初は「いつも二人でくだらないやり取りし合ってるね〜」的な意味かと思ったけど、そうじゃなくて世間を嘲笑してるみたいなニュアンスなのかな。そしてそんな風に人のことバカにしてる僕ら自体はどうなの?って。
あと「僕らの距離はどれほど離れてるの?」はソーシャルディスタンスにもかかってるのかな。

・アルバムDINOSAUR以降今まで以上にオルガン登場率が高くなった。前2作とTAKソロでは主にジェフ・バブコさんという方がキーボード担当されてたけど、今回はB’zレコーディング参加継続歴最長?のベテラン小野塚晃さん。FRIENDSIIIで改めて思ったけど、小野塚さんの音が楽曲に与える彩りは相当デカい。

・TVサイズのラップ→2番Aメロ→サビって構成も自然だったから、初めてフルで聴いた時2番にBメロあるんだ!って思った。でもそのパートの「♪誰も分からない答えを 無理矢理仕立てあげないで」って大事なフレーズですよね。最後のサビの「♪誰かの望んだ通りの 答えを出すのはもうやめるよ」に繋がってる。


2.Hard Rain Love

The 7th Bluesの雰囲気(特に「おでかけしましょ」あたり)を彷彿とさせる。ブラス隊が盛り上げる曲調自体はこのアルバムの中では明るい方の曲。でも歌詞のシチュエーションは大雨だしスキャンダラスな恋?がテーマになってるので、ただ明るい曲とは言えなくて一筋縄でいかない。

・シチュエーションをもうちょい自分なりに想像すると、有名人のカップル(不倫してるとか人気アイドルだとか何かしら世間にバレたら叩かれる要素がある)が、ひとつの傘を差して大雨の中ちょっと古めかしいラブホテルに入っていき、イケナイ行為だとわかっているけど(すでに週刊誌とかにバレてると気付いてるのかも)、その背徳感やハードルが余計に燃えるって感じで、その一夜を激しく愉しんでる様子を描いてるのかなと思いました。ほとんどのフレーズがそういうエロい意味にも取れる感じというか。そういうのは稲葉さんの作詞面での得意技のひとつでもあると思うので。というか「Hard Rain」自体も比喩のひとつ…?稲葉さんのエッチ!(決めつけ)

・特典ライブ映像では、稲葉さんがイントロのよき所で「ハードレインラーブ!」ってタイトルコールしてる。画面にタイトルが出る出方が昔の洋画みたいな雰囲気で好き。

・サビ前の「♪ラーブラーブラーブラーブ」ってコーラスがちょっとおマヌケで良い。サビも♪Oh!Yo!もう!と元気に(元気って)盛り上がる。最初「♪どこまでーもー⤴!」のメロディの上がり方が急だなと思ったけど、すぐ馴染みました。


3.COMEBACK -愛しき破片-

木村拓哉主演ドラマ主題歌の、大人のスポ根シブ熱血歌謡ロック(?)。

・ちょくちょく昭和歌謡要素の入った曲はあったけど(今までで一番その要素があったのは「夢の中で逢いましょう」かな。でも今回は松本隆トリビュートアルバムで「セクシャルバイオレットNo.1」カバーをやった事が後押しみたいになったのかも)、タイアップ曲でここまで振り切ったのはなかったかも。でもリズム、グルーブの強度があって、歌謡曲パロディとか再現じゃなく、ちゃんとB’zならではのカッコイイ仕上がりになってる。

・サビのメロディが「ALL-OUT ATTACK」にかなり似てるからドラマで聴いた時「えっ」ってなったけど、フルで聴いたら雰囲気は全然違うので気にならなくなった。

・イントロのデレンデレンデレンデレン!「カンバック!」でもう結構掴まれる。間奏明けは「ア〜〜カムバック!」なのがさらに好き。

・Aメロでの「♪失った光は」の後とかの「バム!!」って音がデカいのなんか好き。

・特に好きなフレーズは「“元通り”を求めるほどに空しさに泣くんです」。沁みる。愛しき破片を拾い集めたとしても元通りにはならへんねんなぁ…。インパクト的に、「犬も素通り」「脱線した魂(ソウル)」「燃える季節のワタシ」とかも好き。

・「1-2-3-4-5-6 and count goes on」のとこも気持ちいい。ゴーズオン!


4.YES YES YES

・コロナ禍での配信ライブで発表された新曲が、よりグルーヴィーにブラッシュアップされて収録。歌詞のキレやユニークさはSURVIVEあたりの時期を彷彿とさせる。あとMONSTER収録の「ケムリの世界」「ネテモサメテモ」とかの雰囲気も感じる。

・あの時期のライブで出す新曲として、バラードとかじゃなくこういう軽やかさを持ったノリのいい曲が来たのは個人的に嬉しかった。

・タイトルや「他人の幸せ喜べる人間になりなさい」「ママの言葉」「にぎりしめた石つぶて」などのフレーズから、キリスト教の要素が散りばめられてる(っぽい)。
どの段階でイントロの賛美歌風のパートが出来たかわからないけど、歌詞をつける前からそうなってたなら、その部分からインスパイアされたのかも。
今回のアルバムでは「Highway X」のイントロや「UNITE」の2番終わりでも荘厳な雰囲気になったりしてるから、どこかそういうムードがあったのかな。もともとロックとそういう要素の組み合わせは相性がいいのかもしれないけど。

・すごく盛り上がりを見せるメロディのサビではないし、稲葉さんのハモリもあえてつけていないことで、追っかけコーラスや松本さんも参加してる「ソウダソウダソウダ!」ってお祭りみたいな合いの手のユニークさと楽しさが際立つ。バックで流れてるシンセも良い。

・「なにより誰かが下手こいたら最高 はしゃぎ勇みしょっ引いては 市中引き回し磔獄門 今いったい何時代」「NOを突きつける快感に ズッポリハマってる」とSNSでよく見る光景を稲葉節で切り取ってる。人をただ非難するんじゃなく、「自分もそうなっちゃってきてるかもだから、もう一度自分に言い聞かせよう」ってニュアンスがあるのがいい。


5.Highway X

・ここまでの収録曲は結構今までのB’zの○○っぽいって浮かぶものがあったりしたけど、この曲が一番「今までになかったB’z」って感じがした。SLEEPLESSのところで「サビ一発で覚えた」って書いたけど、逆にこれは最初とっつきにくい部分があるかもしれない。でもそのスリリングな感じが聴いててなんかドキドキした。

・とっつきにくいとは書いたけど、最後に現れるパートにはビックリさせられて興奮した。サビに「暗雲のDays」ってフレーズがあるけど、その暗雲に光が差すような感じ。でも一気に晴れ渡ったというより「雲の切れ間から光が差し始めてきてる」みたいな印象。全てが終わった後の総括みたいな感じでもあるけど。

・タイトル曲ってこともあるけど、アルバムの全体的な印象がこの曲に集約されてるようにも思える。

・「その笑顔さえも今や朧 思い出だけを灯りにしよう」「世の中のせいにしたくなるね それでもいいさ責められない」と、どこか寂寥感や諦観めいたものも感じるけど、「確かな行方を推し測る」「でたらめな喧騒忘れて 濡れた風を切るよ」と、それでも少しずつ前に進もうとしてるのが伝わる。

・「僕ら照らす火を守る」は、歌詞としての物語性を出してると共に、B’zとしてのライブを続けていくという意志も乗ってるように思える。

・ピアノの音もあまりB’zっぽくない感じというか、効果音みたいな鳴り方に思える部分もあってドラマチックですごく好き。カウベルの音もいい味。

・「We never stop,Yeah!」のシャウト気味の歌い方がシビツい(渋い+痺れる+アツい)。


続きはいつの日か…